姿勢・うごき・健康・体力 通信

運動指導者、トレーナー教育に約20年携わってきた著者からの「姿勢」「うごき」「健康」「体力」などをキーワードにした、日々の実践や経験の発信、人生をより豊かにするための教養・情報の発信ブログです。

「○○筋あたりのストレッチング」という表現について

気づいていらっしゃる方もいると思いますが、私は、ブログでも、研修会など
でも「○○筋あたりの・・・・」というあいまいな表現をよく使います。


このあいまいな表現になる理由を「ストレッチング」で考えてみます。


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例えば、「後で手を組んで肘を伸ばし、胸をはって、腕を上にあげるポーズ」で
す。(上写真)


ストレッチングを勉強するはじめの頃は、このポーズは胸のあたりが伸びるから、
「大胸筋のストレッチ」とマニュアル的におぼえて、指導の時に使うという段階
があります。

【この段階での指導時の言葉がけ:例】
→「これは、大胸筋のストレッチングです。胸が伸びているのを感じてください」


次に少しヒトの身体の動きがわかってくると、「でもこのポーズは、肩関節でいう
と伸展が入っているから、肩関節屈曲筋も伸びるはず・・・・、だから、そうだ、
三角筋ものびるわ・・・・」

【この段階での指導時の言葉がけ:例】
→「これは、大胸筋や三角筋前部のストレッチングです。胸や肩の前あたりが伸び
ているのを感じてください」


ヒトの動きとストレッチの関係がもっとわかってくると、「これは、上肢帯が内転
していれば、小胸筋も伸びるし、肘伸展での肩関節伸展だから、上腕二頭筋ものびる、
烏口腕筋も伸びるかも、あと、頚部伸展だから胸鎖乳突筋、椎前筋群のストレッチ
にもなってる・・・・」

【この段階での指導時の言葉がけ:例】
→「これは、主として大胸筋や三角筋前部のストレッチングです。首の前面
あたりから胸、肩の前あたりが伸びているのを感じてください」


ちょっとだけ伸びている筋まで考えると、ものすごい数になるので範囲を広くとって
「あいまい」にならざるをえません。


さらに、もっと深く人体を勉強すると、「筋膜」、「筋筋膜網」の存在と「ストレッ
チング」について考えざるをえません。


最近話題になっているので、ご存知の方も多いと思います。


筋は必ず「筋膜」に包まれていて、この筋膜は内臓を包む膜や他を包む膜ともつなが
っていて、そのつながりが全身にわたってネットワークをつくっているのです。


この「身体のつくり」から、「ストレッチング」を考えてみると、ストレッチングに
よって筋自体はそれほど伸ばされなくていないようなのです。


では、ストレッチングでは何が起こっているかというと、主にこの筋膜や筋膜と筋の
間のスライドを助長するような刺激が入っていそうなのです。


ストレッチングでは、筋だけが伸びているんではない・・・・。


こんなことを考え出すと、ますます「○○筋のストレッチング」とは表現できなくな
ってしまいます。


これが、「あいまい」な表現を使っている理由です。



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