姿勢・うごき・健康・体力 通信

運動指導者、トレーナー教育に約20年携わってきた著者からの「姿勢」「うごき」「健康」「体力」などをキーワードにした、日々の実践や経験の発信、人生をより豊かにするための教養・情報の発信ブログです。

脚筋力のあらわすもの(5) 筋出力グラフから

 脚筋力を測定すると、次のようなグラフがでてきます。


 脚筋力は、10秒間のアイソメトリック(等尺性筋活動)で測定しますので、
「用意スタート!」から10秒間筋力を発揮すると標準的には次のような
波形がでます。

hyoujyun091028
 縦軸が「筋力値」、横軸が「時間(秒)」です。

 「用意、スタート!」で反応よく力が発揮され(波形は急上昇)、アイソメトリ
ックなので、一定の力が出続け(波形は横一直線)、10秒後「はい、終わり
です」の掛け声とともに、力は抜け、波形は急下降・・・。という感じなので、
標準的には、台形のような波形になります。


 10秒間のうちの脚筋力最大値で「体重支持指数」を計算する以外にも、細
かく波形までみていくと、他にもいろいろなことがわかります。


totyuupati091028
 上の波形は、スタートから4秒後に膝のあたりで「パチッ」と音がしたので、驚
いて脱力した時のものです。(膝は大丈夫でした)。下の波形と比べるとよくわ
かりますが、スタートからほぼ垂直に急激に波形が上昇していますので、一気
に力を入れすぎたのかもしれません。その様子がよくわかります。


migikataagari091028
 瞬発力がないタイプです。10秒かけて徐々に上がっていきます。(「大器晩成型
の人に多いです」というと喜んでもらえます)。


sintyou091028
 「膝の調子がよくないのですが、やってみます」という方に多い波形です。少し力を
出してみて、大丈夫そうだから、もう少し力を出して、まだいけそう・・・・、という感じが
よくあらわれています。(「石橋を叩いてわたるような、慎重な性格の人に多いです」
というと楽しんでもらえます)。


jikyuuryokusyou091028
 持久力がないタイプです。スタートから8秒ぐらいで終わってしまいました。(「あきらめ
の早いサバサバした性格の方に多いです」というと笑ってもらえます)。


ippatuya091028
 はじめにドンと上がって、下がり落ち着きました。どちらかというと瞬発型かもしれませ
ん。(相手をみてから「少しせっかちな方や“一発屋”に多い波形です」というと楽しんで
もらえます)。


jiguzagu091028
 細かいジグザグ型です。本人の意識が、ずっと脚筋の力を出し続けようとしているなら、
脳からは、脚筋に力を発揮し続けるような命令(電気信号)が送られ続けているはずです。

 それなのに、脚筋では細かいレベルで力が入ったり、抜けたりしています。今まで測定
してきた中では、高齢者に多くみられます。運動不足で神経ー筋のつながり・連絡がスム
ーズでなくなっているのかもしれません。オーバートレーニングなどアスリートのコンディシ
ョンがあられる場合もあるので注意が必要です。


ookinajiguzagu091028
 上がったり、下がったり、いろいろあったけど、最後に大きく能力が開花したタイプです。
(「この波形のようにこれから開花するスゴイ才能が眠っているかもしれませんね」というと
喜んでもらえます)。


 仮に脚筋力の最高値は、同じであったとしても、その中身波形はjひとそれぞれで、
全く違うかもしれません。

 こんなことも知っておくと、「筋力トレーニング」をみる目も少し違ったものになるかもし
れませんね。



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脚筋力とうごきの特徴(2)

 10月15日(日)、からだ・うごき塾の1コマから・・・・・・・。

 今回のテーマは、「脚筋力測定と脚筋力があらわすもの」「コンディショニング
としての筋力トレーニング」でした。


 まずは、脚筋力測定です。

fujimotosan091027
 一番「体重支持指数」が高かった藤本さんです。


utiyamasan091027
 女性で一番「脚筋力値」が高かった内山さんです。


kekka091027
 今回の結果です。女性人の体重は「秘密」です。


kataasisukuwatto091027
 脚筋力値も低く、股関節の筋を上手に使えないと膝に負担がかかってきます。

 
 こういう人は、「片脚スクワット」をやると、股関節を十分に屈曲できず、膝がつ
ま先より前に出たり、膝がつま先の方向より内側に入ったりします。

 
 ヒトの身体は「連動」で成り立っています。


 「膝に負担がかかっていたい人などを指導する時には、「膝そのものが悪い」と
考えてしまいがちですが、少し視野を広げて「なぜ、身体全体のうごきの中で、
膝に負担がかかってしまうのだろうか」と考えることが大切だと感じます。


 そうすると、足・足部のコンディション(=関節や足首をまたぐ筋のコンディションな
ど)や股関節のコンディション(=関節や股関節をまたぐ筋のコンディションなど)など
など・・・・・、「大腿四頭筋を鍛える」という発想以外にもみえてくるものがあるのでは
ないでしょうか。



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脚筋力とうごきの特徴

 10月11日(日)、からだ・うごき塾の1コマから(2)・・・・・・。

 
 前回の続きです。

 
 股関節周辺の筋や体幹部深層筋などがうまく働いていないことが要因
で脚筋力がうまく出せない人などは、基本的なうごきにそれがあらわれた
りします。


furontranji0-91021
 例)フロントランジです。股関節周辺の筋などがうまく働いていないと、つ
ま先より膝が大きく前にでたり、つま先より膝が内側に入ったりします。
(モデルは坪内さんです)。特に腸腰筋や中殿筋をうまく使えていないとこの
ような形であらわれることが多いようです。


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 例)サイドランジです。股関節周辺筋などがうまく働いていないと、つま先
より膝が大きく前にでたり、つま先より膝が内側に入ったりします。
(モデルは東岡さんです)。

 上体がねじれたり、傾いたりする場合もあります。上体がねじれる時は、大腿
内転筋がうまく使えていない場合もあります。


 左右の動作を比べ、上記の特徴が見られる脚の脚筋力測定値をみてみるとそ
の脚の脚筋力の値が低いことと一致したりします。


 脚筋力測定の値は、股関節周辺の筋や体幹部深層筋などのコンディションも含め
た結果です。(もっといってしまえは、全身の筋のコンディションかも・・・・)

 
 このようなことを通して、ただ単に「大腿四頭筋の筋力測定=脚筋力測定」では
なく「コンディショニングとしての脚筋力測定」という見方も身につけていただけたら、
うれしく思います。



 




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脚筋力のあらわすもの(4) ~左右差~

 10月11日、からだ・うごき塾の1コマから(1)・・・・・。

 今回のテーマは、「脚筋力の値とうごきの特徴」でした。コンディションチェック
としての脚筋力測定の後、脚筋力測定の値と基本的なうごきの特徴との関連
を洞察してみました。


higasiokasan091019
 東岡さんの脚筋力測定の様子です。


kekka091019
 皆さんの結果です。体重支持指数で60%未満の方はいません。さすがです。


 ところで、脚筋力には左右差があることが多いものです。今まで、たくさんの脚
筋力測定をおこなってきた経験から言うと、右利きの方は、左脚の方が大きな値
がでることが多いようです。

 右利きの人は、サッカーボールを蹴る時、階段をあがる時や水たまりをこす時な
ど思い出してみるとわかるかもしれませんが、左脚で体重を支え、右脚からだすと
いう動作が多くなります。そのため左脚の方が脚筋力が強いのかもしれません。


 多少の脚筋力左右差はあるのが当然かもしれませんが、左右差が大きすぎるの
は、少し問題かもしれません。具体的には、体重支持指数で20%左右差があると
腰痛などの症状がおきやすいようです。体重支持指数で20%というと、体重50kg
の人で10㎏、体重60㎏の人で12kg、左右の脚筋力で力の出方が違うということ
です。


 人の身体は連動しているので、左右脚筋力左右差の大きさは、骨の配列の左右
差(身体のゆがみの大きさ)、同じ筋のコンディション(筋力や柔軟性など)の左右差
の大きさをあらわしています。


 細かくみることができると、脚筋力測定は有効なコンディションチェックとして活用す
ることができそうです。
 
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脚筋力のあらわすもの(3) いきめないのは?

 たくさんの人の脚筋力を測定していて感じることがあります。それは、
いきめない、りきめない人がたくさんいることです。

 
 はたからみていると、もっと力がでるように思うのですが、「力がはい
らない」、「出し方がわからない」という感じの人が多いようです。


 たまにアスリートや体育学部学生が、全身をつかって思い切り力をだ
している光景をみると“すがすがしい”“美しい”とさえ感じてしまいます。


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 小笠原さんの脚筋力測定の様子です。歯をくしばり、全身に力がみな
ぎっています。


 ところで、最近たくさんの中高年の方が悩んでみえる症状のひとつに
「腹圧性尿失禁」があります。お腹に力が入ると尿がもれてしまうもの
です。

 
 この症状がある方は、力をいれると尿漏れの恐れがあることをご自身
でわかってみえるので、脚筋力測定でも力をおだしになりません。

 
 このような方は、「脚筋力自体が低い」のではなく、骨盤底筋群がおと
ろえているために、「脚筋力が出せない」わけです。


 浅い見方をすれば、レッグエクステンション型の脚筋力測定は、大腿
四頭筋の筋力です。

 
 しかし、「なぜ脚筋力がだせないか、りきめないか」という見方をすると
みえてくるのもがたくさんあるようです。

 
 同時に、何歳になってもりきめる、全身をつかって力がだせる身体の
コンディションを維持することは、とても重要ですね。


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